宣材写真のライティングは、メインとフィルの2灯に背景用ライトを足す形が基本です。この型と3つの印象パターンを押さえれば、撮られる側からもことばで希望を指定できます。

「どんな光が自分に合うのか、カメラマンに何をどう頼めばいいのか分からない」と感じている人に向けて、希望をライティング用語に置き換える表と会話例をまとめました。なお、この記事は白ホリスタジオで撮影する前提で書いています。白ホリスタジオとは、壁と床の境目がなめらかにつながった白い背景をもつレンタルスタジオのことです。

この記事でわかること
  • 基本は2灯で、メインは45度・やや上、フィルはメインの半分以下の光量にする

  • 背景を真っ白にするには、背景専用ライトを足すか、被写体と背景の距離を取る

  • 雰囲気は「きれい」「ふんわり」「シャドウ」の3パターンから選べる

  • 「もっと柔らかく」は「光源を大きく」と言い換えるなど、希望を用語に置き換える表がある

  • 当日はキャッチライト・影の濃さ・背景など5点をモニターで確認する

宣材写真のライティングは何灯が基本?メイン・フィル・背景の2〜3灯

宣材写真のライティングは、メインライトとフィルライトの2灯で十分とされています。白ホリを真っ白に見せたいときは、ここに背景用のライトを加えます。

カメラマンが細かく調整しているのは、この2〜3種類の光の位置と強さです。撮られる側が技術を覚える必要はありません。それぞれの光が顔のどこに効くのかを知っておけば、仕上がりの違いを見分けられるようになります。

白ホリスタジオのライティング配置を真上から見た図解。メインライト、フィルライト、背景用ライト2灯の位置と光の向きを示す
メインとフィルは斜め前から、背景用は左右後方から白ホリへ向ける

メインライトは被写体に対して45度・やや上から当てる

メインライトは、顔の明るさと影の形を決めるいちばん強い光です。被写体に対して45度の角度、やや上方向から当てるのが基本形で、ループライティングと呼ばれます。

白ホリ1灯ライティング基本|当日迷わないポートレート撮影手順白ホリでのポートレート1灯ライティングの基本を解説。ライト配置の角度・距離、背景を白く飛ばす露出調整、レフ板の使い方、当日の手順までスタジオで迷わない実践ガイド

うまく当たっているかどうかの目印は、鼻の横にできる小さな三角形の影です。正面から当てると影がなくなり、顔がのっぺり見えます。一方で、真横から当てると影が強すぎて、宣材写真には重い印象になりがちです。

光源にはソフトボックスやアンブレラを付けて、光を拡散させるのが一般的です。ストロボを裸のまま当てると影の輪郭がくっきりしすぎて、肌の凹凸まで目立ちやすくなります。

フィルライトはメインの半分以下の光量に抑える

フィルライトは、メインライトが作った影を柔らかく起こす補助光です。メインの反対側か、正面寄りに置きます。

光量はメインの半分以下が目安です。露出でいえば、メインより1段以上暗い状態にあたります。影を完全に消すのではなく、薄くしながら立体感を残すのが狙いです。

フィルライトが弱いと影側の頬が暗く重たく写る
フィルライトが弱いと影側の頬が暗く重たく写る
フィルライトが適正だと鼻の横の影が薄く立体感が残る
フィルライトが適正だと鼻の横の影が薄く立体感が残る

フィルが弱すぎると影側の頬が暗く沈み、重たい印象になります。適正であれば影は薄くなりつつも消えず、鼻横の三角形の影もうっすら残るでしょう。強すぎると影がほぼなくなり、顔の凹凸が平面的に見えてしまいます。

キャッチライトは目線より上・斜め45度前後から入れる

キャッチライトは、瞳の中に映り込む光の点です。光源を被写体の目線より上、斜め45度前後の高さに置くと、瞳の上部に自然に入ります。メインライトを基本どおりの位置に置けば、多くはそのまま入るでしょう。

ソフトボックスやアンブレラのように面積の大きい光源ほど、キャッチライトの形もきれいに出ます。キャッチライトがある瞳は輝いて見え、表情が生き生きとします。同じ人でも、入っていない瞳は表情が沈んで見える傾向にあります。

背景用ライトは被写体用の2灯とは役割が異なる

背景用ライトは、白ホリを白く飛ばすためだけに足す光です。顔を照らす2灯とは目的が異なり、被写体の後ろに2灯を置いて白ホリに向けて当てる組み方がよく使われます。仕組みは次の章で説明します。

明るくするほどきれいに写るわけではない?仕上がりを左右する「影の残し方」

「明るいほどきれいに写る」と考える人は少なくありません。しかし、フィルライトを上げすぎると影がなくなり、のっぺりした顔になります。仕上がりを決めるのは光の量より、影をどれだけ残すかです。

また、宣材写真はオーディションや媒体に何度も使い回す営業用の素材です。癖の強い光で撮ると人物像がひとつに固定され、使える場面が狭まりやすくなります。派手な光は控えめにして、素材として使い回せる光を基本にしたほうがよいでしょう。

白ホリの背景を真っ白に飛ばすには?予約前に確認したいスタジオ設備

白ホリを真っ白に見せるには、背景専用のライトを足すか、被写体と背景の距離を大きく取ってメインライトの光を回り込ませる必要があります。白ホリなら照明は何でもよいわけではなく、スタジオの設備によって仕上がりに差が出ます。

白ホリの背景を白飛ばしする方法|グレーになる原因と光量比の数値設定白ホリの背景を白飛ばしするには、背景専用ライトを1灯以上壁に当て、背景を被写体より+1〜1.5EV明るくします。撮影時はカメラをマニュアルモードで固定し、背景が

被写体に当てた光だけでは背景はグレーに沈む

白ホリは白い背景ですが、届く光が足りなければ写真ではグレーに写ります。被写体用のライトは顔に向けて置くため、後ろの背景までは十分に届かないからです。

この現象は、物理の基本である逆二乗の法則で説明できます。光の強さは光源からの距離の2乗に反比例して弱まるため、ライトから被写体までが1m、背景までが2mであれば、背景に届く光は被写体のおよそ4分の1です。露出を顔に合わせると、背景は2段ほど暗く写り、白ではなくグレーに見えます。

背景用の光が足りないと白ホリはグレーに写る
背景用の光が足りないと白ホリはグレーに写る
背景用ライトを足すと白ホリは真っ白に飛ぶ
背景用ライトを足すと白ホリは真っ白に飛ぶ

方法1:背景専用のライトを当てる「バック飛ばし」

もっとも確実なのは、背景だけを照らすライトを追加する方法です。現場ではバック飛ばしと呼ばれます。被写体の後ろにストロボを置き、白ホリに向けて発光させます。

ただし、背景用の光が被写体の側に回り込むと、髪や肩の輪郭が白く飛んで背景に溶けてしまいます。そのため、ライトの角度を調整して前方への光漏れを抑えることが欠かせません。

方法2:被写体と背景の距離を離す

もうひとつは、被写体を背景から大きく離し、メインライトの光が背景まで回るようにする方法です。ライトを増やさずに済む反面、ホリに十分な奥行きがあるスタジオでないと成立しません。

あえて白く飛ばさない選択肢も?グリッドで陰影を活かす方法

白ホリの前で撮っても、背景をグレーやダークトーンに見せることはできます。使うのはグリッドという、光の届く範囲を絞るアクセサリーです。光を広げるアンブレラとは逆の働きをします。

グリッドで被写体だけに光を当てれば、背景には光がほとんど届かず、同じ白ホリでも暗いトーンに仕上がります。陰影を深く見せたいアーティスト系の宣材写真では、こうした撮り方も選べます。

なお、白い壁と天井に小型ストロボを反射させる簡易的な撮り方もあります。とはいえ、光の向きや背景の明るさを細かく変えられる幅は、大型のストロボが複数あるスタジオには及びません。

白ホリスタジオを予約する前に確認したい6つの設備ポイント

撮影の仕上がりは、スタジオに常設されている機材に左右される部分が大きくなります。大型で光量の大きいスタジオ用ストロボであるモノブロックストロボの数を中心に、次の項目を確認しておくと安心です。

  • モノブロックストロボが常設で、背景用を含めて3〜4灯あるか

  • ソフトボックスとアンブレラがあり、大きめのサイズも選べるか

  • グリッドとレフ板が用意されているか

  • ホリの奥行きが十分で、背景から距離を取れるか

  • 天井にライトを高い位置へ置けるだけの高さがあるか

  • ストロボやアクセサリーが利用料金に含まれるか、別料金か

眼鏡をかけた人がいるときや、コンビやトリオで撮るときは、ライトの数や配置を変えることがあります。被写体の条件に合わせて組み替えられるよう、機材に余裕があるスタジオのほうが対応しやすいでしょう。

どんな光でどんな印象になる?きれい・ふんわり・シャドウの3パターン

宣材写真の雰囲気は、きれい・ふんわり・シャドウの3パターンでおおむね言い表せます。「爽やか」「柔らかい」「力強い」といった雰囲気のことばを、どのパターンに当てはめるかを決めておくと、打ち合わせで迷わずに済みます。

3パターンの光の組み方・影の濃さ・合う雰囲気のことば・向いている人を表にまとめました。

パターン

光の組み方

影の濃さ

合う雰囲気のことば

向いている人

きれいモード

斜め上からのメイン+逆光気味の輪郭光+レフ板

中くらい

爽やか・華やか・知的

モデルや俳優の1枚目

ふんわりモード

大きなアンブレラや、壁に2度反射させた間接光

薄い

親しみやすい・優しい・柔らかい

タレント・講師・企業の広報用

シャドウモード

グリッドで光の範囲を絞る

濃い

クール・ミステリアス・力強い

アーティスト・ロック系の人・俳優のサブカット

きれいモード:肌と輪郭をすっきり見せる王道

斜め上からのメインライトに、後ろから逆光気味の輪郭光を足し、影側をレフ板で起こす組み方です。肌がきれいに見え、髪や肩の輪郭がくっきり締まります。

大きなアンブレラとレフ板で柔らかく照らすだけでは、写真がフラットに見えることがあります。そこへ後ろからソフトボックスの逆光を加えると、髪に艶が出て肩のエッジが立ち、白ホリの前でも人物が背景から浮き上がって見えるでしょう。

ふんわりモード:影の境目をなだらかにして親しみやすく

大きなアンブレラを使ったり、スタジオの壁に光を2度反射させたりした間接光で撮る方法です。光が広く回るため、影の境目がなだらかになります。

同じ人を撮っても、きれいモードより表情がやわらかく、近寄りやすい印象になるでしょう。親しみやすさを出したいタレント・講師・企業の広報用の写真と相性のよい組み方です。

シャドウモード:陰影を深く残して存在感を出す

グリッドで光の範囲を絞り、顔の片側に陰影を深く残す組み方です。背景にも光が回りにくいため、白ホリの前でも暗いトーンに仕上がります。

アーティストやロック系の宣材写真に向くほか、役柄の幅を見せたい俳優のサブカットにも使えます。ただし、1枚目に使うと印象が固定されやすい点には注意しましょう。

職種でパターンを選ぶときの4つの判断基準

職種ごとに、選びやすいパターン・メインライトの角度・フィルとの明るさの差の目安を表にしました。明るさの差は露出の「段」で表しており、1段暗いと光量はおよそ半分になります。いずれもスタジオのポートレート撮影で一般的に使われる目安で、最終的な値は顔立ちやカメラマンの判断で変わります。

職種

パターン

メインの角度と高さ

フィルとの差の目安

俳優の1枚目

きれいモード寄り

45度・目線よりやや上

1段前後

モデル

きれいモード+輪郭光

45度・目線よりやや上

1段前後

講師・ビジネス系

ふんわり寄り

30〜45度・目線よりやや上

半段〜1段

アーティスト

シャドウモード

60〜90度

2段以上

俳優は作り込みすぎず、さまざまな役を想像してもらえる幅を残すのが基本です。モデルは骨格とスタイルが伝わることを優先し、輪郭光で体のラインを締めると効果的です。講師やビジネス系の人は信頼感と柔らかさの両立が大切なため、フィルとの差を半段程度まで縮めると、硬すぎない仕上がりになります。

迷ったときは、1パターン目を基本の2灯で撮り、2パターン目で雰囲気を変えるのがおすすめです。用途の異なる素材が手に入り、媒体ごとに使い分けられます。

ホリくん

迷ったら「1パターン目は基本、2パターン目で雰囲気を変える」が安心だよ。素材として使い回しやすくなるんだ。

顔の気になる部分はライティングでどこまでカバーできる?5つの悩み別の光の当て方

肌の質感・輪郭の見え方・目元の明るさは、光の当て方で変えられます。一方で、骨格や体型そのものは光では変わりません。

気になる部分は、遠慮せず打ち合わせで伝えてかまいません。頬や目元の悩みを知っていれば、カメラマンはそれに合わせて光を組み立てられます。

悩みごとに、効きやすい光・避けたい光・カメラマンへの伝え方を整理しました。

気になる部分

効きやすい光

避けたい光

カメラマンへの伝え方

肌荒れ・毛穴

大きな面光源で柔らかく当てる

硬い直射光

「肌の凹凸が目立たないよう、柔らかい光でお願いします」

たるみ・フェイスラインのぼやけ

メインを少し高めにして顎の下に影を落とす

強すぎるフィル

「顎のラインを締めたいので、顎下に影を残してください」

エラ張り・顔の横幅

影側の頬に陰影を残す

真正面からのフラットな光

「頬をすっきり見せたいので、片側に影を残してください」

クマ・目元の暗さ

下からのレフ板や弱めのフィルで起こす

上からだけの光

「目の下が暗くならないよう、レフで起こしてもらえますか」

眼鏡の映り込み

ライトの角度を変えるか、1灯に減らす

レンズに正面から入る光

「眼鏡に反射が入らないか確認しながら撮ってください」

輪郭が締まって見える光と、横幅が広がって見える光

真正面から均一に当てた光は、顔の凹凸をなくします。頬から顎にかけての境目が影で区切られないため、顔が横に広く見えやすくなります。

メインを45度から少し高めに置くと、顎の下と影側の頬に陰影が生まれます。輪郭線が影で区切られ、横幅がすっきり見えるでしょう。ただし、このときフィルを強くしすぎると、せっかくの陰影が消えてしまいます。

眼鏡をかけたまま撮るときの2つの工夫

眼鏡のレンズは光を反射しやすく、反射が瞳に重なるとレタッチでもきれいに消すのは難しくなります。対策としては、ライトを高い位置に上げてレンズへの入射角を変えるほか、2灯のうち片方のストロボだけを光らせて1灯で撮る方法もあります。

1灯で撮る方法は、コンビやトリオで眼鏡の人が混ざる撮影でよく使われます。左右の明るさに多少の差は出るものの、瞳への映り込みは避けられます。

光で変えられないことと、レタッチの線引き

骨格や体型は、ライティングで変えるものではありません。撮影後の補正であるレタッチにも、宣材写真ならではの基準があります。実物との差が出にくい範囲として、次のような線引きが目安になります。

  • 消してよいもの:一時的な肌荒れ・目立つ産毛・髪の乱れ

  • 薄くする程度にとどめるもの:シミ・クマ・ほうれい線

  • 手を加えないもの:骨格の変形・体型の補正・目の大きさの変更・肌を不自然に均一にする加工

注意

盛りすぎた写真は、実際に会ったときに写真と印象が異なると受け取られ、信頼を損ないます。光もレタッチも、実物より少しだけよく見える範囲にとどめておくとよいでしょう。

カメラマンに希望をどう伝える?専門用語の言い換え表と会話例

希望は感覚のことばのままではなく、カメラマンが使う用語に言い換えて伝えると正確に届きます。「もっと柔らかく」なら「光源を大きくしてほしい」、「顔が平べったい」なら「フィルを下げて影を残してほしい」と言い換えます。

打ち合わせで出てくる10のライティング用語

カメラマンが現場で口にする用語を、言われたときに何が起きているのかとあわせてまとめました。

メインライト

顔の明るさと影の形を決める光です。「メインを上げます」と言われたら、この光の位置を高くするという意味になります。

フィル・影起こし

影を薄くするための補助光です。「影を起こしますね」と言われたら、フィルを強めるかレフ板を足して、影側を明るくする合図です。

レフ板

光を反射させて影側に返す板です。白や銀の面があり、ライトを増やさずに影を和らげたいときによく使われます。

キャッチライト

瞳に映る光の点です。「キャッチを入れます」と言われたら、目の上部に光が映る位置へライトを動かすという意味です。

バック飛ばし

背景専用のライトで白ホリを真っ白にする撮り方です。「バックを飛ばします」と言われたら、背景だけ明るさを上げているところです。

ソフトとハード

光の硬さを表すことばです。ソフトは影の境目がなだらかな光、ハードは境目がくっきりした光で、光源が大きいほどソフトになります。

逆光・輪郭光

被写体の後ろから当てる光です。「輪郭光を入れます」と言われたら、髪や肩のふちを明るくして、背景から浮き立たせるという意味になります。

グリッド

光の届く範囲を絞るアクセサリーです。「グリッドを付けます」と言われたら、背景を暗く落とすか陰影を強める方向に進んでいます。

ループとレンブラント

どちらもメインの位置で決まる光の型です。ループは鼻の横に小さな三角形の影ができる宣材写真の基本形で、レンブラントは影側の頬に三角形の光が残るほど陰影が深い型です。

ハイキー

全体を明るくし、影を少なくした仕上がりです。「ハイキーで」と言われたら、背景も顔も明るめの爽やかな方向で撮るという意味です。

感覚のことばを用語に変換する12の言い換え表

打ち合わせで言いがちな感覚のことばを、カメラマンに通じる言い方に置き換えた表です。スマートフォンに保存しておけば、当日そのまま読み上げて使えます。

あなたが感じていること

カメラマンへの言い方

光で起きること

もっと柔らかい雰囲気にしたい

光をソフトにしてください/光源を大きくしてください

影の境目がなだらかになる

顔が平べったく見える

フィルを下げて影を残してください

鼻横や頬の陰影が戻る

影が濃くて重たい

影を少し起こしてください

フィルやレフ板で影側が明るくなる

目に力がほしい

キャッチライトを入れてください

瞳の上部に光が映る

背景が少しグレーに見える

背景の光量を上げてください

白ホリが白く飛ぶ

髪や肩が背景に溶けている

背景ライトの回り込みを抑えてください

輪郭が背景から分かれる

髪や肩のラインを際立たせたい

輪郭光を入れてください

後ろからの光でふちが明るくなる

頬をすっきり見せたい

影側の頬に陰影を残してください

顔の横幅が細く見える

顎のラインを締めたい

メインを少し高めにしてください

顎の下に影が落ちる

肌の凹凸が気になる

大きな面光源で柔らかく当ててください

肌の質感がなめらかに写る

もっとクールに見せたい

グリッドで光を絞ってシャドウ寄りにしてください

陰影が深まり背景も暗くなる

目の下が暗い

下からレフで起こしてください

目元の影が薄くなる

ホリくん

用語を全部覚えなくても大丈夫。表のことばを指さして見せるだけでも、ちゃんと伝わるよ。

打ち合わせの冒頭で伝えたい4つの項目と会話例

伝える順番は、用途・取りたい仕事と印象・気になる部分・参考画像の4つです。この順で話すと、カメラマンは全体の方向を決めてから細部を詰められます。

会話例

被写体:「事務所のプロフィールとオーディションに使う写真です。」

カメラマン:「どんな仕事を取りたいですか?」

被写体:「ドラマの役を増やしたいので、作り込みすぎず自然な印象にしたいです。」

被写体:「頬をすっきり見せたいので、影は残しつつ柔らかい光でお願いします。」

カメラマン:「では、メインをやや高めにして、フィルは控えめにしますね。」

被写体:「参考はこの2枚です。目にキャッチライトがしっかり入っているところが好きです。」

被写体:「1パターン目は基本で、2パターン目は少しシャドウ寄りでお願いできますか?」

避けたいのは「いい感じに」「おまかせで」という頼み方です。判断の材料がないため、仕上がりが好みからずれても修正の方向を伝えにくくなります。「影は残しつつ柔らかく」のように、残したいものと変えたいものをセットで伝えると、意図が一度で伝わるでしょう。

カメラマンに任せきりにしないコツは、枠を決めて頼むことです。「1パターン目は基本、2パターン目は〇〇寄りで」と伝えれば、基本を押さえたうえで試したい雰囲気も撮ってもらえます。

参考画像はどう選ぶ?撮影当日にモニターで確認する5つのポイント

参考画像は取りたい仕事に近い人の宣材写真から2〜3枚に絞り、当日はキャッチライト・影の濃さ・背景・反射・印象の方向の5点をモニターで確認します。この準備があれば、撮られる側もその場で仕上がりを判断できます。

参考画像は「好きな写真」より「取りたい仕事に近い写真」

参考画像は2〜3枚に絞ります。多すぎると方向がぶれ、カメラマンもどれに寄せればよいか迷うためです。

選ぶ基準は、雰囲気が好きかどうかではありません。自分が取りたい仕事ですでに活躍している人の宣材写真から選ぶと、用途に合った光の方向を共有できます。

参考画像の瞳から光源を読み取る5つの手順

写真の瞳を拡大すると、どんなライティングで撮られたかの手がかりが見つかります。ポートレートの光を読み解くときの定番の確認方法で、撮られる側でも数分で試せます。

瞳を拡大する

スマートフォンで参考画像の目元を大きく表示します。両目のキャッチライトを見比べられるくらいまで拡大します。

光の位置から方向を読む

画面で見て瞳の左上に光があれば、光源はカメラから見て左上にあると推測できます。光の位置が高ければ、メインライトも高めに置かれています。

形と大きさから光源を読む

丸い光ならアンブレラ、四角い光ならソフトボックスの可能性があります。光が大きいほど、柔らかい光で撮られています。

光の数を数える

瞳に光が2つあれば、メインとフィルの2灯構成と考えられます。下側にうっすら光があれば、レフ板で起こしている可能性があります。

顔の影と照らし合わせる

鼻横の影や頬の陰影が、読み取った光の方向と合うかを確かめます。合っていれば、打ち合わせでその画像を見せる根拠になります。

打ち合わせの前に伝えておきたい5つの項目

参考画像とあわせて、次の5つを打ち合わせの前に伝えておくと、当日の撮り直しを防げます。

  • 使用媒体:Web・SNS・チラシ・オーディション提出のどれに使うか

  • 届けたい印象:親しみやすさ・知的さ・クールさなど

  • 職種・業界:俳優・モデル・講師・企業の広報など

  • 提出先の規定:背景色やサイズの指定があるか

  • 将来の流用予定:ほかの媒体にも使い回す予定があるか

撮影当日にモニターで確認する5つのポイント

テスト撮影のあと、モニターで次の5点を確認します。印刷するかスマートフォンに保存して、撮影当日に持参すると便利です。

  • キャッチライトが両目に入っているか

  • 鼻横や頬の影が濃すぎないか、反対に消えてのっぺりしていないか

  • 白ホリがムラなく白く、髪や肩の輪郭が背景に溶けていないか

  • 眼鏡のレンズの反射や、額と鼻のテカリが出ていないか

  • 参考画像と比べて、印象の方向が合っているか

気になる点があれば、言い換え表のことばで修正を頼みましょう。たとえば「目にキャッチをもう少し入れてもらえますか」「影が少し重いので、フィルを上げてもらえますか」と伝えれば、どこをどう直すかがすぐ伝わります。背景がグレーに見えるときは「背景をもう少し飛ばしてください」と頼むとよいでしょう。

まとめ:ライティングは「型を知って、ことばで指定する」もの

宣材写真のライティングは、型を知っていれば撮られる側からも指定できます。要点は次の3つです。

まとめ
  • 基本は2灯+背景用ライトで、明るさを足すより影の残し方が仕上がりを決める

  • 雰囲気はきれい・ふんわり・シャドウの3パターンから選び、職種に合わせてフィルとの差を調整する

  • 希望は言い換え表のことばと参考画像で伝え、当日はモニターで5点を確認する

撮影までに準備しておきたいことを、順番に並べました。

  1. 3パターンの中から、自分の第一候補を決めます。迷ったら、1枚目はきれいモードにしておくと安心です。

  2. 取りたい仕事に近い人の宣材写真を2〜3枚選び、瞳のキャッチライトを確認します。

  3. 言い換え表と当日のチェックリストを、スマートフォンに保存するか印刷しておきます。

  4. スタジオを選ぶときは、ストロボの灯数・グリッドの有無・ホリの奥行きを確認します。

スタジオの候補を比べるときは、当サイトの機材で絞り込める検索機能も使えます。ライティングはカメラマンだけが決めるものではなく、被写体も一緒に決めてよいものです。自信をもって打ち合わせに臨んでください。

よくある質問

宣材写真のライティングは何灯で組むのが基本ですか?

メインライトとフィルライトの2灯が基本です。白ホリを真っ白に飛ばしたいときは、背景専用のライトをもう1灯加えます。

ループライティングとレンブラントライティングは何が異なりますか?

どちらもメインライトの位置で決まる光の型です。ループは鼻の横に小さな三角形の影ができる宣材写真の基本形で、レンブラントは影側の頬に三角形の光が残るほど陰影が深い型です。

フィルライトの光量はどれくらいに抑えればよいですか?

フィルライトはメインライトの半分以下の光量が目安です。弱すぎると影側の頬が暗く沈み、強すぎると影がほぼ消えて顔が平面的に見えてしまいます。

白ホリの背景を真っ白に飛ばすにはどうすればよいですか?

背景専用のライトを被写体の後ろから白ホリに向けて当てる「バック飛ばし」が確実な方法です。もうひとつの方法として、被写体と背景の距離を大きく取り、メインライトの光を背景まで回り込ませるやり方もあります。

白ホリスタジオを選ぶときに確認したい機材はありますか?

モノブロックストロボが背景用を含めて3〜4灯あるか、ソフトボックスやアンブレラの大きめサイズがあるか、グリッドやレフ板があるかを確認しておくと安心です。さらに、ホリの奥行きや天井の高さ、機材が利用料金に含まれるかどうかもあわせて確認しましょう。

カメラマンに希望を伝えるときは、どんな言葉を使えばよいですか?

「もっと柔らかく」なら「光源を大きくしてください」、「顔が平べったい」なら「フィルを下げて影を残してください」のように、感覚のことばをライティング用語に言い換えて伝えると正確に届きます。取りたい仕事に近い人の参考画像を2〜3枚用意し、瞳のキャッチライトを見せながら伝えるのもおすすめです。

撮影当日はどこを確認すればよいですか?

モニターでキャッチライトが両目に入っているか、鼻横や頬の影の濃さ、白ホリがムラなく白いか、眼鏡の反射やテカリの有無、参考画像との印象の一致という5点を確認します。気になる点があれば、言い換え表のことばでその場で修正を頼みましょう。